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国内電機大手8社の2010年度Q3決算 - 新興国需要が業績を牽引、回復感拡がる

2010年度第3四半期連結決算が、電機大手各社から発表された。

日立製作所、パナソニック、ソニー、東芝、富士通、三菱電機、シャープ、NECの電機大手8社を合計した第3四半期累計(2010年4 - 12月)の売上高は前年同期比7.7%増の34兆536億円。また、営業利益は312.8%増の1兆3,326億円、当期純利益は前年同期の1,268億円の赤字から、6,249億円の黒字となり、回復基調がより鮮明となった。

売上高では、富士通とNECの通信・IT系の2社が前年割れとなったが、富士通では「為替の影響を除くと前年同期比1%の増収」(加藤和彦取締役執行役員専務)とする。

本業の儲けを示す営業利益では、NECが黒字転換できなかったものの全社が増益。また、最終利益では、日立製作所、東芝、三菱電機、シャープが最終利益で前年同期の赤字から黒字転換。最終赤字となったのはNECだけだった。

一方、第3四半期単独(2010年10 - 12月)では、ソニー、富士通、NECが減収。営業利益ではパナソニック、富士通が減益となり、NECが赤字幅を拡大したほか、最終利益では、ソニー、シャープが減益となり、同様にNECが赤字を拡大した。

業績の回復感は広がりつつある。

東芝は、第3四半期累計としては過去最高の業績を達成。4つのセグメントがすべて黒字化。また、三菱電機は、営業利益ですべてのセグメントが増益、パナソニックは営業利益では対前年比2倍という伸びをみせた。さらに、日立製作所は、第3四半期単独での営業利益が過去最高の1,198億円となり、通期見通しも300億円増の4,400億円に上方修正。「これを達成すれば、過去4番目の実績に到達することになる」(日立製作所・三好崇司副社長)という。

各社に共通して、好調な業績を牽引しているのは、新興国市場における需要拡大だが、なかでも設備投資関連事業の成長が際立つ。

日立製作所では建設機械が新興国市場を対象に売上げを急拡大。パナソニックでも、前年同期には赤字だったFA(ファクトリーオートメーション)事業が一気に黒字転換し、しかも営業利益率が14.5%という驚くべき収益性の高さを発揮した。これも「新興国向けの溶接機などが好調によるもの」(パナソニックの上野山実常務取締役)という。

東芝も、「リーマンショック後の受注減が、今期の社会インフラ事業の業績に響いている」(東芝・村岡富美雄副社長)とするものの、「新興国市場での伸張が貢献している」とする。

電機メーカーにとって、業績を推し量るバロメータのひとつとなっている薄型テレビは、新興国市場における需要拡大に加え、日本国内でのエコポイント制度の駆け込み需要の影響もあり、販売台数は大幅に増加しているが、収益性では苦しい状況が依然として続いている。

ソニーは、第3四半期までに1,790万台の薄型テレビを出荷。前年同期比50%増という伸びをみせている。また、パナソニックは、32%増の1,603万台。そのうち、プラズマテレビが17%増の633万台、液晶テレビは44%増の970万台。シャープは54%増の1,142万台となり、とくに中国市場では110%増と大幅に伸びている。

だが、テレビ事業の収益については、東芝が「上期は1桁の利益だったが、第3四半期では数10億円の利益となった」(村岡副社長)とした以外は、「価格下落やパネルコストの上昇などにより、130億円の赤字」(ソニーの加藤優CFO)、「価格低下と為替の影響が大きい。第3四半期までは赤字。第4四半期はわずかながら黒字になるが、やはり通期では赤字になる」(パナソニック・上野山常務取締役)、「黒字基調を維持しているが、営業利益率は3%に留まる」(シャープの野村勝明取締役)というように各社とも苦戦を強いられている。

一方、IT関連は厳しい状況が続いている。

富士通では、「導入計画を先送りにする例や、不採算プロジェクトが推進されるといった影響もあり、採算性が悪化している」(加藤取締役執行役員専務)とするほか、同社・山本正己社長も、「クラウド・コンピューティングは期待感が先行しており、事業の立ち上げにはもう少し時間がかかる」とコメントする。また、NECでも、「IT投資意欲の回復が当社の見通しよりも遅れており、大型案件の減少や、サーバをはじめとするハードウェアの不振も業績に影響している」(NEC・小野隆男取締役執行役員専務)と語る。

富士通は通期見通しを下方修正。NECは通期計画は変更しなかったものの、営業利益1,000億円の目標に対して、第3四半期累計の営業損失が124億円の赤字と、計画達成は厳しい状況にある。

IT投資意欲の回復にはもう少し時間がかかりそうである。

電機大手各社の第3四半期業績を俯瞰してみると、円高基調が続き、経済環境の不透明感を依然として続いているものの、そうした課題材料に、柔軟に対応する体質へと改善を図りながら、回復の道筋を着実に歩んでいることを印象づけるものになった。

とくにグローバル化への取り組みが、新興国における成果となっていることが実感でき、今後、「現地化」し、新興国へビジネスを定着させることができるかに注目が集まる。

また、日本の電機大手は、スマートフォンへの対応の遅れが指摘されるが、携帯電話事業そのものでは苦戦はしていても、液晶や高機能材料、電子部品実装機などの需要拡大という形で恩恵を受けている点も注目しておきたいところだ。

回復の兆しは、業績のあちこちで見え始めている。日立製作所や東芝が通期利益計画を上方修正するといったこともその表れのひとつだろう。

この勢いを2010年度通期業績にどう反映できるか。そして、2011年度の業績にどうつなげることができるかが注目される。
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