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社説:優等生アップルが落第点

再任を目指す取締役は過半数の株主から支持を得なければならない――。このようなルールが論争を巻き起こすことなど、ほとんどないように思われる。

 ところが、ハイテク企業の中でも著しい成功を遂げているアップルが23日の年次株主総会で、これと同じルールの導入を求める株主決議を退けようと躍起になっている。

 この提案の主はカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)だ。カルパースはこれまで、株式投資ポートフォリオの投資先である主要50社に取締役の選任方法の改革を求めている。

 カルパースは、米国企業で採用されている相対多数投票方式での取締役選任に反対している。この方式では、取締役候補に反対票を投じても効果はなく、たった1票の賛成票を得るだけで取締役に選ばれる可能性があるからだ*1。

 カルパースは説明責任を強化するとの理由で、この馬鹿げた仕組みに代えて過半数投票方式を導入するよう提案している。

 S&P500指数採用企業のうち、69%超は既に過半数投票方式を導入している。責任あるガバナンス(企業統治)の支持者として知られるアル・ゴア元副大統領を取締役に迎えているアップルが、この方式を認めないのはなぜなのだろうか?

アップルが抵抗する不可解な理由

 アップルが抵抗する最大の理由は、選任に必要な定足数に関する「カリフォルニア州法の異常な仕組み」と同社が形容しているものにある。

 過半数投票方式が導入された場合、同社の現在の取締役が再任されるためには、発行済み株式数の25%超の票を得ることが事実上必要になる。アップルは、株主の投票数が少なすぎるという理由だけで取締役が1人もいなくなってしまう恐れがあると主張している。

*1=多くの企業が採用している従来の「相対多数投票方式」では、賛成票を多く獲得した候補者から順に定数が満たされるまで選任されていくため、候補者数と定員が等しい無競争選挙であれば、1票でも賛成票を得れば取締役に選任される

 株式を証券会社に預けている株主から指示が出ていない時には、その証券会社が自らの裁量で投票を行ってもよいという証券取引所のルールが廃止されてしまったために、得票数のハードルが高くなってしまったというのである。

 これは何とも奇妙な議論だ。仮に過半数投票方式を受け入れるとしても、わずか25%の得票では再任の正当性が非常に疑わしいからである。

 また、この定足数についてのルールは健全だと言える。企業がわずかな賛成票を得ただけで自分の意向を押し通すのを防ぐことになるうえに、十分な数の投票が行われるよう努力することを企業に促す誘因(インセンティブ)にもなるからだ。

過半数投票方式もただの中間地点

 しかも、指名された候補者以外の人物を株主が取締役に推薦できるように法律を改正するという試みが昨年頓挫してしまったことから、退けられた人物が結局、再び取締役に指名される可能性も残っている。つまり、実は過半数投票方式も、理にかなった制度改革に向けた中間地点でしかないのである。

 さらに、シスコシステムズやパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)など、同じカリフォルニア州に本社を構えるほかの企業が不安な様子を見せることなく過半数投票方式を導入したことを考えると、アップルの抵抗はなお一層奇妙なものに思われる。

 ほかの点について言えば、アップルの企業統治は決して時代遅れではない。だがこの点については、カルパースの主張の方に明らかに分がある。
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